新年度が今年もやってくる。新しい出会い、新しい学校、新しい仕事-。不安もあるが、それ以上に春には期待がある。ところがワクワク感を新型コロナウイルスの感染拡大が奪った。そんな中、31日で3年間在籍した北上支局を離れる。

 例年の春との違いは、暖冬による早さだけではない。北上市の北上展勝地さくらまつりは東日本大震災が発生した2011年以来の中止になった。

 歓送迎会や会合は自粛が広がり、同市の繁華街、青柳町も普段より人通りは少ない。観光、飲食店の関係者からも嘆きの声を聞いた。倒れないように、公的にも私的にも支える仕組みがほしい。大変な時、困難な時こそ、新しい時代を支えるアイデアが生まれ、実践する好機だ。

 市内の企業では子連れ出社をはじめ、テレワーク導入も検討する。働き方改革の契機になるだろう。休校措置で普段よりも子どもと一緒にいる時間、会話が増えたお父さん、お母さんも多い。家族の絆が強まるきっかけになるだろう。

 東京五輪は延期される。地域でも催事や式典の中止などイレギュラーな事態が今後も続くだろう。これまでのやり方をさらに良いものに磨き上げる時間を与えられた、と前向きに捉えたい。感染が終息した時に、新たな幸せを手にしている可能性はある。

(斉藤陽一)