国民的コメディアン、志村けんさんが新型コロナウイルスによる肺炎のため亡くなったとの報が伝わった30日、県内は衝撃と悲しみがあふれた。東日本大震災の復興支援で非常勤駅長を務めた三陸鉄道吉浜駅(大船渡市)では、祈りをささげる人も。「元気づけられた」「また来てくれると思っていた」と悼む声が上がる中、広く愛された志村さんの急逝が警鐘を鳴らす形となり、感染症への警戒感も高まっている。

 志村さんは2013年4月3日、三鉄南リアス線(当時)の一部運行再開に合わせて非常勤駅長に就任。記念式典で志村さんは「私が変なおじさんです」とギャグで場を和ませてから「笑顔を運ぶ三陸鉄道を応援します」と宣言した。

 駅には志村さんの等身大パネルと、意見が投函(とうかん)できる「志村箱」が設置されており、訃報を知って駆け付けたファンも。小さい頃から「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」などの番組に親しんだ住田町世田米の理容業菅村いずみさん(39)は「『ひとみばあさん』が大好きで、子どもたちも『バカ殿』を見ている。本当にショック」と手を合わせた。

 志村さんは何度も沿岸を訪れた。同社の吉田哲指令部長は「『8時だヨ!全員集合』でずっと見てきた大スター。初対面は緊張したが、優しく声を掛けてほぐしてくれた」と思い返す。同社は30日、同駅に志村さんの冥福を祈る中村一郎社長のメッセージを掲げた。