沿岸の縦軸の役割を果たしてきた国道45号沿いが、変化している。三陸道の開通で交通量が4割近く減り、大槌町の老舗飲食店の本店が29日に閉店。釜石市の大型商業施設内の店舗などで地元に親しまれた味の提供を続ける。同市では売り上げが落ち、値上げを決断した店も。東日本大震災で傷ついた沿岸をつなぐ動脈の整備が着々と進む陰で、経営者は生き残りへ知恵を絞る。

 国道沿いにある「磯ラーメン発祥の店」をうたう大槌町吉里吉里(きりきり)の飲食店きりきり善兵衛(前川隆太郎社長)の本店は、29日に閉店する。「交通量激減の影響は大きく、平日は閑古鳥が鳴く。必要とされる店としてお客さんの要望に応えられなかった」と前川社長(62)は声を落とす。

 1969年に吉里吉里ドライブインとして開業。住民だけでなく、国道を通る観光客も集めた。だが、昨年の三陸道大槌インターチェンジ(IC)開通後は交通量が減り、平日の売り上げは5割以下に。本店を閉め、釜石市大町のイオンタウン釜石内と、福島市内の店舗での営業に絞ることを決断した。