「いつも大震災のことを忘れずにちゃんとそなえる」「あせらず冷静に行動し、すぐ判断できるようにする」「コミュニケーションをとる」-。盛岡市の見前小(遠藤耕生校長、児童492人)5年生は2月末、震災学習の総仕上げとして12の提言をまとめた。

被災経験を聞く

震災経験のインタビューの内容や自分たちの感想をまとめたミニ新聞が完成。学習を振り返り、感想を話し合う児童

 「あの日、あの時、そして今」をテーマに、教員や家族から東日本大震災が起きた「3・11」の経験を聞き、災害への備えを考える授業を行った。昨年11月から今年2月まで総合的な学習の時間などを使い、全13回実施。5年1組担任の中嶋一良教諭は「当時まだ幼く記憶が残っていない児童にとって震災は想像以上のものだ。震災を知り、たくさん話し合うことで自分は今何ができるかを考えてほしい」と目標を掲げた。

 1組から3組まで80人が6、7人で12班を編成。11月から12月にかけて記事の書き方やインタビューの仕方を学び、被災地で震災を経験した遠藤校長、3組担任の向井亜由美教諭、2組担任の長門哲汰教諭にインタビューした。

 

「5年生として今できることは何だろう」。災害のほか、新型コロナウイルスへの対策も意識して班の仲間と意見を交わす児童

海に近い大船渡市・越喜来小副校長だった遠藤校長は、児童が全員、高台に避難できたことを説明した。「災害から自分を守るためには知識や心構えが必要だ。しっかり学んで大切な命を守れる人になってほしい」と願いを伝えた。

 向井教諭も同市・吉浜小に勤務し児童と避難。宮古市の中学3年生だった長門教諭は、避難所のボランティア活動を振り返った。

 舘優真(たてゆま)さんは「災害はただ怖いと思っていたが、先生たちの話を聞いた今なら命の大切さが分かる」とうなずき、長内彩綺(さき)さんは「災害が起きたときは、まず自分の命を守る。それが他の人を助けることにもつながる」と教訓を心に刻んだ。

 児童はその後、冬休み中に家族・親戚、自分の「3・11」の聞き取りを行った。まだ小さかった自分を守ろうとした家族の思いに触れた。

ミニ新聞を作成

 1月から2月にかけて各教員や家族の話、自分の感想を記事にしてミニ新聞を完成させた。

 2月末に迎えた授業の最終回は「今、5年生ができること」をテーマに班ごとに議論を深めた。この日は新型コロナウイルスの感染の広がりを防ぐため、休校が決まった日。中嶋教諭は「災害に限らず、いざというときどう行動するか、学んだことを生かそう」と呼び掛けた。

 児童は「いきる」「かかわる」「そなえる」の三つをキーワードに12の提言を発表し、決意を新たにした。

 洞内悠光(ゆうひ)君は「命を守るため、災害時の冷静な判断と、日頃のコミュニケーションを大事にしていく」と力を込めた。

※「学びの窓から」は今回で終わります