釜石市鵜住居(うのすまい)町の鵜住居小(中軽米利夫校長、児童158人)は19日、同校で卒業式を行った。新型コロナウイルス感染症拡大に伴い規模を縮小して実施する中、バンドのBRAHMAN(ブラフマン)、OAU(オーエーユー)のTOSHI―LOW(トシロウ)さんがサプライズ出演。卒業生36人が最後の学習発表会でOAUの曲「帰り道」(トシロウさん作詞)をモチーフにした創作劇を披露したことがきっかけで実現し、歌声で子どもたちの門出を祝った。

 卒業式を終え、体育館での記念撮影後にサプライズが待っていた。6年生担任の片山直人教諭(48)が「卒業をお祝いするゲストが来ています」と紹介。トシロウさんが登場すると、拍手と歓声が響いた。

卒業生の退場に合わせてギターを演奏するトシロウさん(奥)

 ステージに上がったトシロウさんは「自分たちが作ったものを劇に使ってもらいすごくうれしい。ぜひ歌いに来たいと思って」とあいさつ。子どもからのアンコールにも応え、「帰り道」など3曲を披露し、卒業生の退場時にも急きょ、ギターの音色を響かせた。

 沢本真優(まひろ)君は「式ができてうれしかったし、36人での6年間を思い出しながら楽しく過ごせた。サプライズは本当にびっくり。『帰り道』の歌にある当たり前の幸せ、今を大事にすることを改めて強く感じた」と感激した。

 佐々木恋雪(こゆき)さんは「最後にみんなで良い思い出がつくれた。帰り道は好きな歌。歌声というすごいプレゼントをしてもらってうれしい」と笑顔を見せた。

 卒業生は昨年10月、最後の学習発表会でOAUの曲「帰り道」をモチーフにした創作劇「帰り道」を披露。東日本大震災以降、復興に歩むまちとともに成長してきた子どもたちが「日常の幸せの大切さ」などを訴えた。

「帰り道」などを披露し、門出を祝うトシロウさん

 片山教諭が映像を送り、卒業生へのメッセージを依頼。東京都内でのライブが中止になったため、卒業式へのサプライズ出演が実現した。

 震災直後から被災地に足を運び続けるトシロウさん。「優しくて強くて、他の人を助けられる人になるんだろうなと思う。門出の日に一緒にいられて良かった。悲しい思いをしている子たちがいるけれど、いいことあるよって伝えたい」とエールを送った。