「卒業式で合唱する予定のオリジナル曲が歌えるのか心配です」。岩手日報社など全国の地方紙やNHKが連携し、新型コロナウイルス感染症の拡大で卒業式の中止や縮小を余儀なくされた若者の声を伝える「#みんなの卒業式」プロジェクトに、矢巾町の不動小(吉岡裕晃校長、児童208人)の6年生の女子2人からメッセージが届いた。

 声を寄せてくれたのは、渋田一葉(かずは)さんと一稀(かずき)さんの双子の姉妹。同校は今月19日の式の出席者を生徒と保護者に絞り「門出の言葉」も省くなど短縮を決定。合唱の取りやめも検討された。

 2人は「合唱はできないかも」と諦めかけていた。それでもオリジナル曲「かけがえのない宝物」だけは歌いたかった。シンガー・ソングライター松本哲也さん(43)=盛岡市=が、卒業生43人のために作詞・作曲。歌詞には校庭の三本松や修学旅行、登山、音楽会など6年間の思い出が盛り込まれている。

 6年担任の高橋悦子教諭(55)は「この曲だけでも歌ってほしい」、吉田隆浩教諭(56)も「みんなの共通の思いが詰まった曲」と、同校はぎりぎりまで検討。謝恩会や6年生を送る会での披露は中止したが、2曲歌う予定だった卒業式では、この1曲だけ歌うと決まった。

 17日朝に決定の連絡を受けた一葉さんと一稀さん。「離れ離れになる友達もいて、みんなの思いがこもった大切な曲。歌えることになって安心した」と喜ぶ。休校で練習不足は否めず、披露の機会も減ったが「楽しかった6年間を思い浮かべて歌う」と19日の本番に向け、自宅で練習に励む。