新型コロナウイルス感染症拡大に伴う式典や会合の中止、規模縮小で花の需要が低迷し、花卉(かき)農家の経営悪化が懸念されている。花巻市農業振興対策本部(本部長・上田東一市長)は農家を応援するため市内の中学校の卒業式(22、23日)で、花巻産の青色のカンパニュラを無償で提供する。地元産の華やかな花が卒業生の門出を祝福する。

 本年度の同市内の中学3年生は864人(16日現在)。市内の全11校のうち、希望のあった学校の卒業生に1人につき1本ずつ配る。

 青色のカンパニュラは花巻農協のオリジナルブランド・花巻ブルーの一つで、2015年から関東を中心に販売。今回は同農協花巻地域花き生産部会(高橋誠部会長)の会員が生産したカンパニュラを同本部が買い取る。

 約5万本のカンパニュラを生産している同市石鳥谷町新堀の佐藤祐一さん(68)は「今年は売り上げが3割ほど落ちそうだ。不安だっただけに子どもたちに配ってもらえるのはうれしい」と喜ぶ。

 カンパニュラの花言葉は感謝と誠実。「高校に進学しても、親や先生への感謝の思いを忘れずに、誠実に育ってほしい」と願う。

 同農協によると、本年度のカンパニュラの販売額は2804万円で、全国で有数の産地を誇る。市農政課の新垣聡子主査(39)は「花卉農家を応援するとともに、地元の花で明るく卒業式を迎えてほしい」と思いを込める。