【石川県能美市で報道部・金野訓子】陸上の東京五輪代表選考会を兼ねた全日本競歩能美大会は15日、石川県能美市の日本陸連公認コースで行われ、20キロの男子は高橋英輝(富士通、花巻北高-岩手大)が1時間18分29秒で2位に入り、2大会連続の五輪代表入りが濃厚になった。

 アスリートとして苦渋の決断だっただろう。男子20キロの高橋英輝は東京五輪の最終選考会で、持ち味のスピード勝負を封印。慎重なレース運びで2位に入り、選考で選ばれる代表3枠目をほぼ手中に収めた。

 調整の一環で出場した50キロ五輪代表の鈴木雄介(富士通)が序盤から先頭集団を引っ張った。「(チームメートの)英輝に代表権を取ってほしいという思いもあった」と、中盤で一気に加速してライバルを振り落とした。

 先輩の後押しを受けた高橋が動く。16キロすぎに1キロ4分台まで落ち着いたペースを一気に上げると、池田向希(東洋大)が反応し、望んだ一騎打ちに。高橋のスピードを警戒して少しずつペースアップを図る池田をすぐ後ろから追い掛ける展開になった。

 やや離れたラスト500メートル。高橋に歩型違反の「注意」の札が出された。足のまめがつぶれた影響もあり「優勝より代表に確実に選ばれることがはるかに大事。自分の状態を考えて慎重に歩くことを選んだ。これが今の自分の実力」と勝負をせずに減速。池田の大きなガッツポーズの7秒後、静かにゴールに入った。