2020.03.12

のんさんと駆ける聖火の道② 三陸鉄道にエール

 普代駅から十府ケ浦海岸駅(野田村)までは三陸鉄道(本社宮古市、中村一郎社長)が、聖火を運ぶ。

 2019年3月23日、三陸鉄道は東日本大震災で受けた大きな被害を乗り越え、リアス線(163キロ)全線開通を果たした。のんさんも同日、宮古市を訪れ、喜びを分かち合った。

「三鉄は私の中でも思い入れのある列車なので、全線がつながって本当にうれしい。これからみなさんの新しいドラマが始まるだろうとわくわくする」と語るのんさん。三陸鉄道の中村一郎社長に花束を手渡す=2019年3月23日、宮古市]

 しかし、10月の台風19号が三鉄に再び大きな試練を与える。77カ所が被災し、多くの区間が運行休止に追い込まれた。「台風で被災したニュースを聞いたときはショックでした」と振り返るのんさん。「でも、三鉄は今までも何度も立ち上がってきました。そのたびに勇気や元気をもらっています」と、これまでの試練を乗り越えてきた三鉄に思いを寄せる。

のん最愛の"車窓の風景"

 「三鉄に乗っていると、ここの住民になっている気分になれます。駅と駅の間の景色も、眺めていて楽しい」。のんさんにとって三鉄はやはり特別な鉄道だ。「普代村の大沢橋りょうの眺めが一番好き。目の前に広がる岩手の海は力強くとても格好良い。漁師さんの顔が浮かぶようです。三鉄には、これからも何度でも乗りにいきたい。そして応援し続けていきたいです」

陸中山田―津軽石間の運行再開に向け、試運転する三陸鉄道の車両。3月22日は「復興の火」として聖火を運ぶ大役を担う=2020年1月15日、山田町・陸中山田駅付近

 三鉄は3月20日の全線運行再開を目指し、復旧を進めている。作業は今なお続き、1月16日には、陸中山田―津軽石間(17.3キロ)が運行再開。全区間の6割以上が運行可能となった。

運行再開に向けて線路の高さ、ゆがみを確認する三陸鉄道の社員。台風19号豪雨被害からの復活に懸命の作業が続く=2019年12月20日、山田町・陸中山田駅付近

 三陸鉄道は復旧後の3月22日、東京五輪・パラリンピックの聖火を「復興の火」として運ぶ催しを開催する。沿線住民が聖火を見学できる時間も設けられる。県オリンピック・パラリンピック推進室の粒來幸次特命課長は「沿岸部の人たちに五輪を身近に感じてもらう機会になる。復興に向けて地域がさらに盛り上がるきっかけになってほしい」と力を込める。

 被災地の住民も聖火の巡回を心待ちにする。聖火ランナーを務める山田町の間瀬慶蔵さん(41)は「復興五輪への機運を高め、支援への感謝を伝える絶好の機会。災害から何度もよみがえる三鉄が聖火を運ぶことで、住民に勇気を与えてくれるはずだ」と信じる。

(記事中の年齢と肩書きは岩手日報社が取材した当時のもの)

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 この記事は、岩手日報社が「LINE NEWS」編集部と共同で企画、構成しました。記事全文は「LINE NEWS」でもご覧いただけます。