8日に開かれた国際リニアコライダー(ILC)の推進国際シンポジウムは主会場の東京大と岩手大(盛岡市)などを中継で結び、各地の若者が世界で活躍する研究者との質疑を通じてILCや素粒子物理学に理解を深めた。

 質疑はノーベル物理学賞を受賞している高エネルギー加速器研究機構(KEK)の小林誠特別栄誉教授らにはリアルタイムで、ピータ・ヒッグス氏(英エジンバラ大名誉教授)には事前の収録で行った。

 岩手大では盛岡一高2年の中村俊貴さんがヒッグス氏に「複雑なことを考える際、思考を整理する仕方を教えてほしい」と投げかけた。すると、ヒッグス氏は「自分自身、思考が他のさまざまな話題に流れていきがちで、整理できたらいいのにと思っている。それがかえって(ヒッグス粒子を予言した)研究をもたらした秘訣(ひけつ)になったかもしれない」と実体験を述べた。

 終了後、中村さんは「有名な物理学者でさえ、複雑なことを考えるときは困ることを知ったし、興味や知識を広げるのが大切だと感じた。ヒッグスさんのILCへの期待が伝わった」と刺激を受けた様子。

 主会場の研究者に「ILCの意義が多くの人に理解されるために何が必要か」と尋ねた盛岡三高3年の尾崎瞬さんは「誘致が実現すると人の流れや経済が安定する。もし決まったら、小中学生に研究のことを教えてみたい」と期待を膨らませた。