【米メンローパークで報道部・稲垣大助】文部科学省は米国で日本時間の23日まで開催の国際将来加速器委員会(ICFA)の国際会議で、岩手、宮城両県にまたがる北上山地(北上高地)が建設候補地とされる国際リニアコライダー(ILC)の誘致について「関心を持って米欧との意見交換を実施する」と説明した。同委のジェフリー・テイラー議長に、受け止めと今後の対応を聞いた。

 -文部科学省が示した政府見解の評価は。

 「非常に積極的な内容だった。これでILCを推進するコミュニティーの取り組みが一層前に進む」

 -昨年3月に表明した政府見解とどう違うと思うか、印象を聞きたい。

 「日本政府内の議論が進んでいると感じた。(超党派国会議員連盟会長の)河村建夫氏の発言も含め、前回よりも全体的に高揚感があった」

 -見解には米欧の政府間との意見交換を強化している内容もあったが。

 「米政府はずっと日本へのILC誘致を支持してきたが、この1年でさらに強くなってきている」

 -ICFAとしての今後の活動方針は。

 「今回の日本政府見解は、私たち研究者がILCを推進するため次の段階に進むことを推奨している。今回の国際会議で、そのステップを踏み出すための準備について具体的に議論し、ロードマップづくりに着手したい」

 -5月に策定される次期欧州素粒子物理戦略(2020~24年)への影響をどう考える。

 「これから何らかの報告はあると思うが、戦略の策定はICFAとは別組織で議論を進めている。だが、われわれはさまざまな大型プロジェクトを抱えており、ILCについても策定過程で情報を提供する用意がある」

 -今後、日本政府に求めることは何か。

 「日本学術会議のマスタープランは非常に大きなプロジェクトを記載するため、科学の問題に限らず政治も絡む。科学と政治は分けて考える必要があるものだが、日本には政治・行政面の的確な評価を期待している」