【米メンローパークで報道部・稲垣大助】国際リニアコライダー(ILC)計画を巡り、文部科学省は日本時間の21日、米国で開かれる国際将来加速器委員会(ICFA)の国際会議で政府見解を表明する。「ILCに関心がある」とした昨年3月以来の見解。欧州で次期素粒子物理戦略(2020~24年)の策定作業が進む重要な時期で、内容が注目される。

 会場はカリフォルニア州中部、メンローパークのスタンフォード大に隣接するSLAC国立加速器研究所。高エネルギー加速器研究機構(KEK、茨城県つくば市)の山内正則機構長ら世界の主要な加速器研究所長や素粒子物理学の研究者らが参加する。

 3日間の日程では、日本でのILCを巡る議論や春に策定される欧州素粒子物理戦略の方向性、ILC計画の推進態勢などを話し合う。

 関係者によると、文科省からは初日に幹部職員が出席し、政府見解を示す見込み。日本学術会議が1月末に公表したマスタープランで、ILCが学術的意義を有する「大型研究計画」に盛り込まれたことを踏まえた発言になるとみられる。

 文科省は昨年3月7日、東京で開かれたICFAの国際会議の席上、ILCの国内誘致について「現時点で表明には至らない」とした一方「関心を持って国際的な意見交換を継続する」との政府見解を表明した。日本と米仏独の政府間協議会を軸に、建設費削減の共同研究を進めている。

 ILCは岩手、宮城両県にまたがる北上山地(北上高地)が建設候補地とされ、欧米の科学者コミュニティーは日本に誘致を強く求めている。ICFA側は国際会議で前向きな発言を期待しており、日本政府の対応が重要となる。