昨年末、母子保健法が改正され、産後の母親や乳児が対象の産後ケア事業が、自治体の任意事業から努力義務に位置づけられた。2021年までに施行され、母親のうつや虐待の防止を狙う目的で、県内でも取り組みが広がる。事業を実施するかは自治体に任せられているが、限りある人員や施設でどこまで事業展開できるかなど課題も見られる。

 産後ケアは、助産師や保健師が授乳指導や育児相談など心身のサポートを行い、形態は▽母親が子と一緒に宿泊できる宿泊型▽母親が出向く通所型▽助産師らが母親宅を訪ねる訪問型―の三つがある。

 本年度、県内で14市町が国の補助を受け産後ケア事業を実施している。広がり始めたばかりのため、各市町村は事業の在り方について模索が続く。

 07年度に全国初の公設助産院を設置し、助産師を雇用してきた遠野市は、16年度から「産後ケア」と名付けて事業展開する。より支援が必要な母親がゆっくり休める通所型ケアの必要性を認識する一方、市単独では費用に見合う利用が見込めないという。母子安心課の芳賀寛課長は「市町村を超え、広域利用の実施を探る必要があるのではないか」と提案する。