マラソンや駅伝の好記録の一因として世界を席巻する厚底シューズに、県内の陸上長距離界も熱視線を注いでいる。一時は使用制限がささやかれたが、世界陸連は東京五輪での使用を条件付きで容認。クッション性と軽さを両立させた靴は本県選手も愛用し「疲れない」と好感触だ。県内スポーツ店でも関連商品への問い合わせが増えているが、関係者は「トレーニングが必要」と指摘する。

 注目を集める厚底靴は、米スポーツ用品大手ナイキの「ヴェイパーフライ」シリーズ。厚い底に炭素繊維のプレートを挟み込んでクッション性、反発力を高め、2017年の登場以降、一気に浸透した。

 1月の箱根駅伝で使用率は8割超とされた。関東学生連合で10区を走った東京大の阿部飛雄馬(ひゅうま)選手(4年、盛岡一高)も使った一人。「『後半でも疲れない。回復も早い』という情報で試しに購入した。悩みを全て解決してくれた」と語る。使いこなすために上体の前傾や肩甲骨の動作改善などを意識。「履けば無条件に速くなるわけではなく、効果を最大限に引き出すためのトレーニングが必要だ」と強調する。

 市民ランナーは県内で購入できる厚底モデルにも関心を寄せる。盛岡市本宮のスーパースポーツゼビオ盛岡盛南店(稲葉浩之店長)では、アシックスやホカオネオネなど他メーカーのモデルへの問い合わせや試着も増えた。坂田佳彦マネジャー(46)は「ナイキ人気は続くと思うが、厚底の入荷を増やすかどうかは各メーカーの動きを見ながらになる」と話す。五輪での使用は市販などが条件となり、ミズノやデサントなども対抗する。