【東京支社】萩生田光一文部科学相は31日の閣議後会見で、日本学術会議のマスタープラン公表を踏まえた国際リニアコライダー(ILC)計画の対応について「欧州素粒子物理戦略(2020~24年)などの議論も注視しつつ、慎重に検討を進めたい」と述べ、政府判断に向け国内外の動向を引き続き探る考えを示した。

 30日公表されたプランで、ILCは学術的意義を有する「大型研究計画」に位置づけられたが、より優先度の高い「重点大型研究計画」には盛り込まれなかった。この内容について「学術界を代表する見地からまとめられた。今後の行政側の検討において参考になる」とした上で「ILCは国単独ではなく国際プロジェクトだ。各国がどう財政的に協力するか詰めが進んでおらず、この段階で重点計画に入らないのは驚くことではない」と述べた。

 ILCは重点計画の選定過程で、候補としてヒアリング対象には入った。実現に向けた国内手続きの一つとされ、文科省が今夏まとめる方針の「学術研究の大型プロジェクトの推進に関する基本構想(ロードマップ)」に申請する権利は確保した。国内誘致の可否判断に向け萩生田氏は「事業の有効性など課題もある。国際機関との連携を確認しながら、今後もしっかり注視していく」と語った。

 竹本直一科学技術担当相は31日の記者会見で、ILC計画について「非常に予算がかかるが、地域活性化に役立つ。前向きに検討すべきだと思っている。文科省でこれから検討されるので、科学技術振興や地域振興の面から『もっと積極的にやるべきだ』との意見は申し上げていこうと思う」との姿勢を示した。

 萩生田氏と竹本氏の会見を受け、東北ILC推進協議会(代表・大野英男東北大総長、高橋宏明東北経済連合会名誉会長)は「両大臣の発言は大変心強い。これからも誘致実現に向け、東北の受け入れ態勢の準備、関係者との連携を一層強めながら活動していく」とのコメントを出した。