陸前高田で親しまれたみその味を新潟で-。陸前高田市気仙町出身の吉田寛(ゆたか)さん(37)は新潟市のみそ製造・販売「糀(こうじ)屋団四郎」(藤井喜代志代表)に〝婿入り〟し、みそ造りに打ち込んでいる。父と祖母、180年続いた家業と自宅を失った東日本大震災から間もなく10年。「自分にはこれしかない」と新たな地で一度諦めかけた夢をつかみ、妻康代さん(40)と歩みを進める。

 吉田さんの実家は1834(天保5)年創業の和泉(いずみ)屋本店。みそ・しょうゆ醸造やガソリンスタンドなどを展開していた。

 新生活が始まり1年。1932(昭和7)年創業の糀屋で和泉屋の製法も取り入れ味の底上げを図る。「互いの良い所を引き出し、2人ならではの味を見つけたい」と夫婦で口をそろえる。吉田さんは「いつか和泉屋仕様の味も残していけたら」と次なる夢も描く。