4月に内勤から一線記者となり、盛岡市や生まれ育った紫波町の話題を中心に取材している。

 戸惑ってばかりだったが、あっという間に12月を迎え、時の流れの早さに驚く。拙い取材に応えてくださった方々には感謝しかない。

 中学時代まで慣れ親しんだ同町だが、故郷とは言っても、取材を通して初めて知ることがたくさんあった。着実に発展しているオガール周辺は、お気に入りの場所だ。

 これまでの取材の中で、特に忘れられないことがある。6月に町図書館の入館者が150万人を達成した時のこと。150万人目となった同町北日詰の阿部博英さん(61)に話を聞いた。

 すると、阿部さんは2カ月前に妻が亡くなったことを明かした上で「それ以来、毎日通っている。図書館は私の心のよりどころだ」と話してくれた。

 そして記事掲載後、間もなくして手紙が届いた。妻が闘病していた時のことを振り返るもので、取材されたことへの感謝もつづられていた。

 その日から「当たり前のように存在する場所やものでも、誰かにとっては特別なのかもしれない」と思うようになった。今後も、さまざまな角度から物事を見つめていきたい。

(鷹觜里奈)