2020年は新型コロナウイルス感染症の言葉が紙面にあふれた。振り回され、気付けば年末という慌ただしい1年だった。

 東日本大震災からのハード整備が進み、三陸鉄道は台風被害から全線復旧、宮古市は外国のクルーズ船誘致が本格化。本来は地域を超えた交流が活性化する1年だったが、暗転した。

 コロナの脅威は感染力と症状だけでなく、交流機会を奪う。心の復興、地域の活力維持に人のつながりは欠かせず、厳戒下の暮らしは精神を追い込む。相次ぐ災害に直面した被災地の人々に「どうして試練が続くのか」と胸が痛んだ。

 暗い話題が多い中で、スポーツや地域活動など各方面での子どもたちの取り組みが希望の光だった。

 特に印象に残るのは宮古高の定時制・通信制の取材だ。いじめや不登校を経験し、再スタートのために入学する生徒も多く、教職員が丁寧にサポート。多くの悲しみを知る分、生徒は互いを思いやり、支え合う優しい時間が流れている。

 生活体験発表で全国最高賞に輝いた黒沢知花さん(定時制4年)の「立ち止まっても大丈夫。きっとやり直せる」というエールを、多くの人に届けたい。

 間もなく新年を迎える。願わくは、ひたむきに生きる人々がきちんと報われる1年でありますように―。

 (宮古支局・刈谷洋文)