今月21日、待っていた電話が鳴った。出るなり「今日は何の日?」と明るく問われ「冬至ですね、お元気でしたか」。答えるこちらの声も自然と弾んだ。

 電話の主は陸前高田市高田町に住む80代の女性。2年前に仮設団地のお茶会で出会ってから、冬至に「かぼちゃがゆ」をいただくようになった。1月に再建したお宅を久々に訪れ、変わらぬ笑顔に安心した。

 この訪問も「不要不急」かもしれないが、不要と不急は全く違う。人と顔を合わせて話すこと、祭りやスポーツの大会、音楽の催し―。自粛に追い込まれた「不急」こそが暮らしを豊かに彩っていると気付かされた一年だった。

 昨年の開催を見送った同市の全国太鼓フェスティバルは、30年の歴史を途切れさせまいと実行委が再開へ奔走したが、最終的にオンライン開催となった。先月、収録を取材した。

 趣旨は理解していても、腹の底まで響く太鼓に「やっぱり生演奏はいいな」と思う。吹奏楽を愛する者として「本当は満席のホールで演奏したかった」と語る佐藤勝実行委代表(40)の悔しさは痛いほど分かる。

 感染症と共存する日々は当分続く。感染予防のため自由に出歩けない読者へ、情景や人のぬくもり、生の感動が少しでも伝わるような記事を届けていきたい。

 (小野寺唯)