【東京支社】政府は21日、2021年度予算案を閣議決定した。一般会計の総額は106兆6097億円と9年連続で過去最大になった。新型コロナウイルス対策の予備費5兆円を積んだことが全体を押し上げた。国際リニアコライダー(ILC)の関連は20年度当初予算と同額、概算要求の満額の計4億8千万円を計上。コスト削減に向け米国やドイツ、フランスとの共同研究などを進める。

 政府はコロナの追加経済対策を盛り込んだ「15カ月予算」として一体編成した20年度第3次補正予算案とともに、年明けの通常国会に提出し早期成立を図る。

 ILC関連では、先端加速器を低コスト化する基盤技術の開発費用名目で3億2千万円を計上。高エネルギー加速器研究機構(KEK、茨城県つくば市)と米フェルミ研究所(FNAL)が中心となって加速器の中核部品・超伝導加速空洞の素材や加工法などの研究を継続。ドイツ電子シンクロトロン(DESY)、フランスのサクレー研究所(Saclay)とは加速器の防じん技術などの共同研究に取り組む。

 KEKの運営費交付金にはILC関連として20年度当初予算と同額の1億6千万円を盛り込み、国際間の共同研究の対応を進める。

 文部科学省の担当者は「ILCを巡っては研究者が検討を続けており、その動向を見ていきたい」としている。

 国際将来加速器委員会(ICFA)が8月設置した国際推進チームは、22年のILC準備研究所の設立を目指して動いている。