新トレ@県立大宮古短期大学部

 宮古市河南の県立大宮古短期大学部(松田淳学部長、学生207人)は11日、就職活動や卒業後に向けた学習に岩手日報社のNIB講座「新トレ(新聞トレーニング)」を取り入れた。経営情報学科の1年生ら約100人が新聞の特長や効率的な読み方を学び、記事を使ったコミュニケーションの体験などに取り組んだ。

紙面の特長に理解

 卒業後、社会の一員として活動するため必要な知識や技能を習得するのが狙い。10月~来年1月に15回予定する講座「キャリア形成の基礎Ⅱ」の1コマとして、当日の紙面を教材に同社の記者らが講義した。

就職活動に役立ちそうな記事を紙面から探す県立大宮古短期大学部の1年生ら

 紙面は記事だけでなく見出しや写真、図表などで構成され、記事の内容を最小限の文字数で表現した見出しを中心にまず目を通すことを促した。編集者がニュース価値を判断し、見出しの大きさを工夫してレイアウトしている点が新聞の大きな特長であることを説いた。

 記事は第1段落に重要な要素を盛り込み、結果が分かりやすく書かれており、見出しと記事の前部分を読むだけでも短時間で紙面全体から情報が得られることを紹介。学生たちは時系列で書かれた文章を、第1段落で結果が分かる新聞記事のように書き直す課題に挑戦した。

 各面にどんな記事が掲載されているか、紙面を開きながら確認。就職活動や会話に役立ちそうな記事を切り抜きし、3人一組で記事の感想を発表し合い、幅広い情報がコミュニケーションに生かせることを体験した。

 鎌田真人(かまだ・まさひと)准教授は「学生たちがニュースに触れるのはスマートフォンが中心で、ネットではニュースの価値が分かりにくい。毎日紙面をめくる習慣がつけば、必ず新聞は役に立つ」と期待を込める。


秘めたる興味に光を

平田講師 一問一答

 講座の狙いなどについて、経営情報学科講師の平田哲兵さんに聞いた。

(聞き手=NIE・読者部 鈴木義孝)

「新聞で秘めたる自分の興味に光を当て、視野を広げてほしい」と学生たちに期待する平田哲兵さん

-新トレを講座に取り入れた理由は。

 「学生にアンケートをとると、新聞を読んでいない、身近にないという現状がよく分かる。授業で情報収集や新聞活用の大切さは伝えているが、教員が話す内容では限界がある。本学は地域に貢献したい、地元で就職したいという学生が多く、地元紙の情報の多さを知ってほしかった」

-学生たちの反応を見て。

 「初めての体験が多く、教育効果はとても大きかった。切り抜きした記事をいくつか見たが、目の付けどころが学生によって随分違い、教員として新たな発見があった。記事を使った対話では、人と話すのが苦手な学生も楽しそうに参加していた。自信を持って話せるネタがあると、情報発信の質が上がることを感じた」

-自身と新聞の関わりは。

 「埼玉県出身で、大学は沖縄の琉球大に進んだ。沖縄は県紙が2紙あり、新聞好きな県民性だ。飲食店や待合スペースには地元紙が必ず置いてあり、記事をきっかけに会話が始まるのは日常の光景だった。ローカルに徹した紙面は、関東で読んでいた全国紙とあまりに違っていて、衝撃を受けた。地元の人に役立つ地域に根差した情報が書かれており、地元紙の面白さに気づいた」

 「気になった記事は写真に撮り、授業やゼミで上映している。今春から初めて岩手で働くことになり、岩手を知るためにローカルニュースを心がけて読んでいる。記事を参考に観光地を週末に訪れたり、とても助かっている。県外から来ている学生こそ岩手日報を読むように言っている」

-新聞をどう活用してほしいか。

 「普段紙面をめくっていると、意外な発見があったりする。インターネットで検索すると、キーワードに関連する情報はたくさん出てくるが、新聞の場合は自分が求めていた情報とは別の記事に目が留まることがある。そういう経験を学生たちにはしてもらいたい。秘めたる自分の興味に光を当てて視野を広げてほしい。興味関心を広げるため、新聞は最も優れた素材の一つだ」


堅苦しい印象変わった・坂下遼樹さん

 新聞には堅苦しいイメージがあったが、地域のニュースを細かく知ることができ、印象が変わった。高校時代にアルバイトをして、県内のスーパーで地域の食を支えたいと考えるようになった。就職したら新聞を購読し、地元について深く知りたい。

IT関連の記事に注目・菊地梨奈さん

 効率的な読み方を学ぶことができ、今後は寮に届く新聞を積極的に活用したい。ITや情報通信などの企業に関心があり、米当局がフェイスブックを提訴した記事に注目した。記事だけでなく広告にも身近な情報が載っており、新聞っていいなと思った。

就活の自己PRに活用・生駒 樹さん

 新聞は家で購読しておらず難しい印象だったが、今回の講座で全体の構成がわかり、読んでみて面白かった。銀行員を志望しており、就職活動ではエントリーシートを作成する際に、ぜひ新聞を活用して自分のアピールポイントをまとめてみたい。

地元の話題を積極的に・金野歩珠さん

 地元の一関で公務員として働くことを目指している。新聞の地方欄に地域の話題が多く載っていることを知ったので、地元の話題をたくさんキャッチできそうだ。積極的に新聞から情報を取りに行き、就職活動の面接での話題作りに生かしたい。

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