4月、運動部配属で記者生活が始まった。取材するはずだった大会は、新型コロナウイルス感染症の影響で次々と中止に。報道部に異動し、教育担当となった。入社後すぐの配置換えに戸惑った。

 だが、学校現場を訪れるたび、児童生徒の衝撃は自分の比ではないと感じた。修学旅行や運動会、大会の中止。落ち込む子どもの姿を見るのはつらかった。

 そんな状況下でも、児童生徒は工夫を凝らして学校行事や部活動に取り組み始めた。限られた中で、思い出を残そうとする姿に元気をもらってばかりだった。

 夏の甲子園が中止となった高校3年生の野球部員の取材は中でも印象に残る。元高校球児として胸が痛んだ。しかも母校の後輩に取材することに。率直な気持ちを問うと「残念な気持ちはあるが、県大会開催に向けて動いてくれる大人に感謝し、3年間の努力を最大限に表現する舞台にしたい」と語ってくれた。

 自分だったらそんな言葉を言えるだろうか。無念で立ち直れなかったと思う。現状を受け入れ、できる限りを尽くそうと話す高校生の顔が脳裏に焼き付いた。

 言葉通り、彼らは代替大会で輝いた。ユニホームが真っ黒になるまで走り続けた姿が忘れられない。

 コロナ禍に耐えた子どもたちは、この経験を糧に歩んでいくだろう。今後の成長や活躍も追い続けたい。

(大友亮)