奥州市民の〝踊りへの情熱〟に心を動かされた一年だった。地元住民が創作演舞を披露する日高火防祭、江刺甚句まつり、前沢秋まつり-。それぞれ新型コロナウイルス感染症の影響で中止や延期、規模縮小となったが、出演者たちは仲間と一緒に踊る舞台を諦めなかった。

 「踊りは表情が命」という言葉を聞いたことがある。規模を縮小して開催した江刺甚句まつりで、地元年祝連の創作演舞を見てその言葉を実感した。5月から9月への延期、不安を抱えながら進めた準備や練習を経て、ようやく踊ることができる喜びを満開の笑顔で表現する出演者たち。思わず涙ぐむほど感動した。

 水沢の伝統行事、日高火防祭は中止。しかし有志が創作演舞の発表の場をつくろうと催しを企画し、地元厄年連はさまざまなステージで演舞を披露した。踊りだけでなく衣装などにもそれぞれこだわりがあり、代々続く創作演舞への情熱を取材するたびに実感した。

 記事で地域の元気を伝えようとする一方で、実は取材相手が発する言葉や見せていただくステージ、作品などを通じて元気をいただくことの方が多い。みなさんからいただいた元気を来年以降も仕事に生かしていきたい。

(大橋秀喜)