「昨年ごろから蚊が異常発生している。たくさん刺されて悩まされたが、地元だけでしょうか」。紫波町高水寺の北田智代子さん(63)から岩手日報社の特命取材班に切実な声が寄せられた。取材を進めると、温暖化に伴いやぶ蚊の一種で強い吸血行動が特徴のヒトスジシマカの生息域が北に広がり、県内は盛岡市以南の各地で確認されていることが分かった。

 蚊の生態を研究する県環境保健研究センター地球科学部の佐藤卓主任専門研究員は、大量発生についてヒトスジシマカの北上によるものと推測する。

 1950年代は関東以北では確認されなかったが、温暖化の影響で年々北上。本県では2000年に一関市などで確認、09年に花巻市、17年は盛岡市みたけで2年以上同じ地点で確認され、同地が本県の定着の北限とされる。09年に大船渡市などで定着し沿岸の北限は大槌町。紫波町では17年に確認された。

 発生源は主に鉢植えの皿や水たまりで、公園や市街地など人の多い場所の低木の葉や茂みに生息。デング熱、ジカ熱などウイルス性感染症を媒介し、県は発生防止対策を講じるよう注意喚起している。新型コロナウイルス感染症は媒介しない。