プロ野球日本シリーズはソフトバンクが4連勝で日本一に輝いた。力の差を感じ、セ・リーグ最下位のヤクルトファンの私にはさらに重くのしかかった。来季も応援に力が入りそうだ。

 やはり野球は面白い。7月に野田村ライジングサンスタジアムで取材した久慈地区中総体の軟式野球決勝、久慈対長内は手に汗握る好ゲームだった。

 久慈が1点を追う最終回七回裏2死満塁、フルカウント。次の一球は。カメラ越しの投手と打者の全身から気迫と緊張が伝わる。思わずシャッターを押す指に力が入った。写真はしっかり撮れただろうか、と思った瞬間、歓声と同時に打者が歩きだした。

 押し出しで試合は振り出しに戻り、球場が興奮に包まれる中、一塁ベース上の安堵(あんど)の表情がとても印象的だった。試合は延長九回で久慈が7対6のサヨナラで制し、歓喜に沸くナインを翌日の朝刊に掲載した。

 中総体は県大会が中止となり、本紙は原則無観客で行われた地区大会を特別報道した。われわれにとっても初めての経験だったが、後々まで語り草になるような場面にも出合えた。選手や大会を支えた関係者に心から敬意を表したい。

 世界中を覆う厚い雲。近視眼的思考に陥ることは避けたいが、足元を見つめ直せば豊かさも広がる。「目の前の出来事」の一つ一つを大切にしていきたい。

(及川 純一)