患者やお年寄りに人生の歩みを語ってもらい、話し言葉のまま冊子にまとめる。この「聞き書き」という活動に一関市藤沢町の市国保藤沢病院(佐藤元美院長)の医師、看護師らが取り組んで6年になる。患者の言葉に耳を傾け、思いを酌み取り、新たな一面を知ることも。語り手一人一人を主人公にした手づくりの物語が地域医療の現場で紡がれている。

 これまで6冊を書き上げた佐藤院長は「(聞き書きの本は)万人が分かって、面白いというもんじゃない。話した人、聞いた人が理解し合える。これが大事」と語る。「患者さんを丸ごと分かろうとすることで気持ちを開いてくれる。診察室では得られないものが得られる」と実感する。