「お香は仏様へのお供え物。お寺によって香りに違いがあるんですよ」

 平泉の文化遺産の世界遺産登録10年を来年に控え、お香の商品化を進める団体「平泉のかをり創造プロジェクト」を取材したとき、代表を務める毛越寺の僧侶、南洞(なんとう)法玲(ほうれい)さんに教わった。

 香りを決める選考会が先月あり、一般投票も実施された。「ひ」「ら」「い」「ず」「み」の字が書かれた五つの瓶には、粉末状の香料が入っている。平泉町内に自生するスギやハスの葉、鉱物を混ぜたものも。工夫に驚かされた。

 実は毎晩、自宅でアロマの香りを楽しんでおり、お香にも興味はあった。学生時代は検定のテキストも購入したほど。最近は閉じたきりだが…。

 訪れた人と一緒に香りを確認させてもらう。サンショウのようなピリッとした刺激のもの、ほのかな甘みを感じるもの。同じような樹木の優しい匂いでも少しずつ違う。一つを選ぶのがもったいなく感じた。

 「自宅でも平泉を感じることができ、今までにないものを作りたかった」。南洞さんはほほ笑みながら企画の趣旨を教えてくれた。

 投票の結果、1番人気はほのかな甘みが特長の「み」。来年6月に発売予定だ。平泉を愛する人たちが手掛ける商品は、どんな仕上がりになるのか。目で見て、鼻で確かめる日が待ち遠しい。

 (菅野燈)