「サバの水煮缶に固形量表示がないのはなぜでしょう?」。岩手日報社の特命取材班に読者から疑問が寄せられた。サバのみそ煮缶の食品表示には固形量と内容総量が記載されているのに、水煮缶には内容量しか載っていないという指摘。早速、県内のスーパーを巡ってみた。

 確かにその通りだった。ほとんどのサバの水煮缶には固形量表示はなかった。素人目には水煮もみそ煮も、「固形」の部分があるように見える。どうして違うのか。2019年度のサバ缶市場シェア1位、マルハニチロ(東京都江東区)に聞いてみた。

 理由としては、原料が魚ゆえに加工方法によって「固形」の状態が異なってしまうことが大きかった。食品表示法に基づく加工食品の食品表示基準によると、缶詰の内容量は「内容総量」(液汁を含めた重量)と「固形量」を記載する。だが、「固形量の管理が困難なものは除く」とし「内容量」として全体の重量での記載が認められている。

 水煮缶はこの「固形量の管理が困難なもの」に当たる。水煮は生詰めが多く、缶に詰めた後に加熱殺菌すると、魚の固形肉から脱水が生じる。魚はサイズや個々の脂肪量などで脱水量には大きなばらつきが出る。粘性のある調味液が入ったみそ煮や煮付けと比べ、水煮缶は脱水量のばらつきがストレートに反映されてしまうため、固形量の管理が難しいという訳だ。