内閣府のエイジレス・ライフ実践事例に選ばれた奥州市水沢の元教員梅森健司さん(87)の取材で、日々の積み重ねの大切さを感じた。

 梅森さんは年齢にとらわれず、先人顕彰や次世代への継承活動を生き生きと続ける功績が評価された。取材への受け答えもはっきりしていて、年齢を尋ねると「87歳と何カ月、何日です」「日数で言えば3万何日です」と即答された。

 取材を進めるうちに、なぜ日数で年齢を答えたか意図があるような気がした。

 子どもの頃から読書の習慣を欠かさず、自宅の一室に小説や児童書など約1万3千冊を所蔵。時に本を読みながら「新しい考えをどう捉えるか」と自分自身と向き合う。終戦直後から続ける日記も、段ボール3箱分になるという。

 大切にしていることを質問すると「一日一日」と回答。やはり日々の積み重ねが、年齢の答え方や言葉の重みにつながっているのだと感じた。

 時折ユーモアを交えながら、小中教員時代の思い出を語ってくれた梅森さん。「郷土出身の政治家後藤新平の顕彰活動などで触れ合う子どもたちから今も学び続けている」と明るい声で話した。取材を通じ、積み重ねの力とともに、人生の楽しみ方も教わったような気持ちになった。

(佐藤俊男)