国際リニアコライダー(ILC)の実現を目指す国際会議は23日(日本時間)、米SLAC国立加速器研究所を拠点にオンライン形式で開かれ、4日間の日程を終えた。閉幕に当たって米国務省やエネルギー省の担当者が見解を述べ、日本での建設に強い関心を示すとともに課題解決に向けて協力姿勢を強調した。

 米国務省の科学技術協力担当ディレクターのリース・スミス氏は、ILC準備研究所の設立へ動く国際推進チームに対し「取り組みの前進を支持する」と強調。「専門的な組織の構築が必要で、(研究の)初期から成功するような形にしなければならない。国務省はここで手伝える」と述べた。

 米エネルギー省のクリス・フォール科学局長は「ILC参加に強い関心がある」と表明。「費用分担や資源の共有について、日米および多国間協議を継続する予定だ。次の段階では(加速器)研究所だけではなく、資金調達する政府機関もハイレベルで参加すべきだ」との認識を示した。

 米政府と連動して研究資金を供給する米国立科学財団のサウル・ゴンザレス氏は「米国のILC参加を成功させるには物理学コミュニティーの強い支援と密接な関わりが必要だ」と呼び掛けた上で「ILCの進展を注意深く見ている」と述べた。

 ILCは巨大な素粒子物理学の実験施設で、岩手、宮城両県にまたがる北上山地(北上高地)が建設候補地とされる。日本政府は現在、誘致の可否を検討中。世界の主要な加速器研究所の所長らでつくる国際将来加速器委員会(ICFA)は8月、国際推進チームを設置し、高エネルギー加速器研究機構(KEK、茨城県つくば市)を拠点に準備を本格化させている。