東日本大震災で家族5人を失った大槌町大町の会社役員三浦憲(あきら)さん(62)は23日、発災から9年半を経て先月引き取った妻裕子さん=当時(53)=の遺骨を墓に納めた。「今まで苦労を掛けたから。ゆっくりしてください」。震災以降、複雑な心境を抱え、悩み苦しみ続けた三浦さんは涙を拭い、そっと手を合わせた。

 雨が降りしきる中、同町末広町の江岸寺の墓地に納骨し、三浦さんと長男崇さん(34)ら家族、親類らが手を合わせ、冥福を祈った。三浦さんは、裕子さんも誕生を楽しみにしていたという孫と一緒に家族の遺影が刻まれた墓石を静かに見つめ、優しく触れた。

 今月22日の裕子さんの誕生日を節目とし、その翌日に納骨することを決めた。崇さんは「いろいろな方の協力があっての今日。ほっとしている」と語り、三浦さんは「一生、供養していく」と目を赤くした。