国際リニアコライダー(ILC)の実現を目指す国際会議が20日(日本時間)、米SLAC国立加速器研究所を拠点にオンライン形式で開幕した。ILC準備研究所の設置に向け8月に国際推進チームが動きだした流れを踏まえ、建設に備えた取り組みを詰める。

 初日は各国の情勢が主なテーマとなり、高エネルギー加速器研究機構(KEK、茨城県つくば市)の山内正則機構長は「KEKと日本の研究者コミュニティーはILCをタイムリーに実現できるよう可能な限り努力している」と説明。「米国の強力な支持がプロジェクトを進めるために大変重要だ」と訴えた。

 SLACのマイケル・ペスキン教授は「ILCの建設が(素粒子物理学の)知見を劇的に拡大させることは疑う余地がない」と意義を強調。オレゴン大のジェームズ・ブラウ教授は「今回のプログラムをもって南北アメリカと世界のILCの取り組みは強化される」とした。

 期間中は技術向上など、実現に向けた多様な課題について分科会を開催。最終日の23日は米エネルギー省や国務省などが見解を示す予定。

 ILCは巨大な素粒子物理学の実験施設で、岩手、宮城両県にまたがる北上山地(北上高地)が建設候補地とされる。日本政府は現在、誘致の可否を検討中。世界の主要な加速器研究所の所長らでつくる国際将来加速器委員会(ICFA)は8月、国際推進チームを設置し、KEKを拠点に準備を本格化させている。