東日本大震災で被災した釜石市只越町の洋食店「ポートまえの」の元店主前野隆彦さん(57)=盛岡市下米内=は18日、故郷で1日限定の食堂をオープンした。震災から9年7カ月余り。店内には、懐かしの味を楽しむ常連客の笑顔があふれた。

 津波で自宅兼店舗が被災した前野さんは、2011年4月に親戚が暮らす盛岡市に避難。父親から引き継いだ開業約50年の店を閉じた。現在は老人ホームの調理場で働き、妻と子ども2人を養っている。

 常連客との再会を果たした前野さんは「震災後初めて顔を合わせるお客さんもいて、夢を見ているような幸せな時間だった」と感慨深げに語った。