新トレ@KOIBI いわて公務員・医療・ビジネス専門学校

当日の紙面から就職活動に役立ちそうな記事を探す受講者ら

 盛岡市菜園のいわて公務員・医療・ビジネス専門学校(KOIBI)=及川明彦校長=は10月、総合学科医療ビジネスコースの授業に岩手日報社のNIB講座「新トレ(新聞トレーニング)」を取り入れた。3回の講座で、新聞から効果的に情報を読み取る方法や、スクラップを活用したコミュニケーション術などを学び、就職活動や社会生活に役立てる。

 

効率的な読み方学ぶ

盛岡市中心部の映画館通りにキャンパスが立地するいわて公務員・医療・ビジネス専門学校

 初回の講座は1日、「まずは新聞に親しもう」をテーマに、岩手日報社の職員らが講師を務め同校で実施した。新聞を毎日開く習慣がないという同コースの8人に、紙面の構成を説明。見出しは記事の概要を最小限の文字数で表しており、見出しを追うだけでも紙面全体から短時間で情報が得られることを説いた。

 新聞記事の特徴として、1段落目に最も大切な要素が盛り込まれ、重要度が高いことから2段落目以降、段階的に書かれている点を紹介。時間がないときは、記事を全て読まなくても、前部分だけで概要を把握できる「速読法」を伝えた。

北東北で唯一、日本歯科医師会認定の「乙種歯科助手資格」が取得できる医療ビジネスコースの実習

 医療事務員として働くことを目指す8人は、講座で学んだ読み方を生かし、1カ月間、就職活動や仕事で役立ちそうな記事をスクラップし、次回以降の講座で活用する。及川校長は「患者や高齢者と接する際は、心と心の触れ合いが重要になる。SNSなどのデジタル情報ではなく、紙媒体の記事とじっくり向き合い、人の思いや考え方を大切にできるようになってほしい」と期待する。

 


社会へ関心高め対話力

瓜田華菜子教務主任に聞く

 いわて公務員・医療・ビジネス専門学校教務主任の瓜田華菜子さんに「新トレ」を受講する学生への期待などを聞いた。

(聞き手=NIE・読者部 鈴木義孝)

「社会への関心を高め、コミュニケーション能力をつけてほしい」と学生たちに期待する瓜田華菜子教務主任

-「新トレ」に関心を持ったきっかけは。

 「当校での教育に新聞を取り入れたいと以前から考えていた。2018年、本県で開かれたNIE全国大会盛岡大会に参加し、斎藤孝明治大教授が記念講演で『みんなで読もう』と呼び掛けていたのが心に残り、見よう見まねで授業で使ったこともある」

-新型コロナウイルスによる学校への影響は。

 「本県の感染者発生が遅かったこともあり、春から特に影響なく授業ができている。今回の受講者は全員が医療事務を目指しているが、コロナで医療現場の厳しさが増す中、だからこそ自分が役に立ちたいと意識を高めている学生が多い」

-学生たちはどのように情報収集しているか。

 「スマホやパソコンが1人1台の時代になり、それらの電子端末でニュースを見ており、興味のある分野の情報しか得ていない。社会を幅広く、まんべんなく知ることができるツールは新聞しかない。専門学校は社会に出る一歩手前の教育機関。新聞で社会について知ってほしい」

-自身と新聞の関わりは。

 「大学時代、地元テレビ局のリポーターとして地域の方々を取材し、伝統技術を受け継いでいる方や年配の方々にもお会いした。地元紙の社会面に載っている記事が仕事に役立つことに気づき、以来新聞を読み続けている」

-学生たちへの期待は。

 「友人と仲良くなるだけでなく、多くの人と対話できる社会性を身につけてほしい。好きなものの話はできるが、その範囲が狭いと感じることがある。これからの長い人生では、大人の討論ができ、自らの主張を論理性をもって伝えられる力が必要になる」

-そのために新聞をどう活用すればよいか。

 「まずは各面のトップ記事、目に飛び込んでくる見出しを追って、ニュースの概要を知るだけでも会話の幅が広がる。社会への関心を高めることで、コミュニケーション能力がつく。得た仕事をただこなすだけでなく、人の心を巻き込むような、職場や社会の中心となるキーパーソンになってほしい」


読み方を一から学べた・太田 琴乃さん

 新聞の読み方を一から学ぶことができ、いい機会になった。政治や経済は自分に関係のないことと思ってきたが、読み続ければ少しずつ理解できそうな手応えを感じた。紙面にはインフルエンザワクチンの話題など、医療関係の記事が多く載っていた。コロナで厳しい状況だからこそ、地域医療を支える仕事がしたい。

活字に触れて文章力を・瀬田 萌花さん

 普段はテレビ欄ぐらいしか見ておらず、情報を得るのはスマホ頼りだった。活字にもっと触れて、文章を書ける力をつけないと大人として駄目だと思っていた。人とのコミュニケーションのある仕事が自分に向いている。少しでも人の役に立つため、これまで関心がなかった分野の記事にも注目していきたい。

地域欄が役に立ちそう・高橋 朋花さん

 自宅で新聞を購読している。私の学校の部活が記事掲載されると父が教えてくれていた。インターネットの情報は早くて便利だが、今後は自分のためにもっと新聞を活用していきたい。将来は個人病院の薬局事務を目指しており、特に岩手日報の地域欄には役立ちそうな記事が多く、関心を持っている。

正しい情報見極めたい・山本ふた葉さん

 毎日、祖父が新聞を読む姿を見ている。医療事務職に就いたとき、お年寄りの会話にきちんと対応できるように自分も新聞を読もうと思う。スマホで情報を得ることが多いので、フェイクニュースの見極めができるようにしたい。紙面には幅広い内容の記事が載っており、情報のバリエーションを増やしていけそうだ。

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