昨年12月、花巻市出身のプロ野球ヤクルト元選手で2軍打撃コーチを務める畠山和洋さん(37)が住田町の住田高で授業を行った。豪快な打撃フォームに負けず劣らず、高校時代や現役生活19年間の逸話はスケールが大きかった。

 少年時代、近所の田んぼに向かって石ころを遠くに飛ばそうと繰り返した打撃練習。高校時代に3回経験したという停学。プロ入り後、朝の散歩から夜間練習までぎっしりスケジュールを埋められた「教育」の話…。

 1軍定着後、主力として2015年のセ・リーグ優勝に貢献した畠山さんは「野球に集中できる環境をつくることで仕事も私生活も充実した」と振り返る。個人的には12年に本県で初開催されたオールスターゲームの本塁打が印象深い。

 この10年間、銀次選手や菊池雄星選手、大谷翔平選手ら本県出身選手が国内外で活躍を続けている。その先陣を切り、大きな流れをつくったのは畠山さんと言ってもいいのではないだろうか。

 授業後、畠山さんは「未来ある子どもたちのために何かしたい」と今後の意気込みを語ってくれた。高校通算62本塁打のうち1本を被弾した「畠山世代」の一人として、ひそかに応援し続けたい。

(向川原 成美)