2020.01.18

子連れの議会傍聴 整わず 県内、規則や特別室ゼロ

県議会や県内の市町村議会では、子連れでも居やすい特別室などは設けられていない=盛岡市議会本会議場
県議会や県内の市町村議会では、子連れでも居やすい特別室などは設けられていない=盛岡市議会本会議場

 人口減少と少子化が進み子育て支援の重要性が高まる一方、県や県内の市町村議会では子育て世代が議論を傍聴しやすい環境づくりが進んでいない。子育て世代が身近な行政に向ける関心は高く、全国では防音の特別室や託児サービスの導入が進んでいるが、県内では「必要性を感じない」などとして、子連れ傍聴に関する規則や特別室を設けている議会はゼロ。釜石市が整備を検討するなど認識は変わりつつあり、各議会の対応が注目される。

 現在、県内33市町村議会と県議会で子連れ傍聴に関する規則や専用スペースがある議会はなく、ハードルは高い。盛岡市議会は子ども連れの傍聴自体がほとんどないため、議会事務局の阿部克視事務局長は「特別席の設置などは考えていない」とする。

 一方、釜石市議会は2022年度完成を目指す新市庁舎に親子傍聴席の設置を検討中。防音ガラス張りで周囲を気にせず過ごせるスペースを想定し、議会事務局は「全国で普及が進んでおり、開かれた議会の実現のため子育て世代の声も取り上げたい」と意図する。


 

北九州市はガラス張り特別室

 北九州市議会には、議場を見渡せるガラス張りの特別傍聴室がある。一角をカーテンで仕切った授乳スペースにはおむつ替えの台があり、軟らかい素材のマットも敷かれている。壁は防音で、議会の審議は室内のスピーカーで聴ける。改修費は90万円。段差がないため、親子のほか高齢者や車椅子利用者も使いやすい。

 全国では東京都町田市や堺市、鳥取県米子市などが親子傍聴室を設置。長野県松本市は無料で保育士に預けられる「議会子ども控室」を設けており、昨年は10人の子どもを預かった。

 専修大の小林弘和教授(地方議会制度)は「特別席の確保などは、子育て世代のほか車椅子利用者らあらゆる人が議会に出向き、当事者意識を高める第一歩になる。ニーズがないから配慮が不要と捉えず、市民と議会の対話のきっかけと考えるべきだ」と話す。

(西日本新聞社提供)

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