北九州市の遊園地スペースワールド(SW)閉園から2年余り。SWのバックヤードで野ざらしになっていた「ロケット」の行方を知りたいと宇宙ファンの男性から西日本新聞(福岡市)の特命取材班に依頼があった。専門家に聞くとSWの担当者もロケットだと思っていたのは、米軍の大陸間弾道ミサイル(ICBM)とみられるという。背景を探ると、冷戦時代の米国と旧ソ連の「デタント(緊張緩和)」がきっかけとなったようだ。

 男性によると、バックヤードには人工衛星の模型や「ロケット」の胴体部分、エンジンなどが野ざらしになっており、閉園時にファンの注目を集めていた。

 当時のSW担当者によると、「ロケット」などは2009年ごろに千葉県の個人から無償で譲渡されたが、展示場所が確保できず閉園を迎えた。

 ロケットの正体は何なのか。宇宙航空研究開発機構(JAXA)名誉教授の的川泰宣さん(77)に写真を見てもらったが「分からない」。ただ「ロケットやミサイルについて日本で最も詳しい一人」と、石川県羽咋市立宇宙科学博物館コスモアイル羽咋顧問の高野誠鮮(じょうせん)さん(64)を紹介してくれた。

 博物館展示用のロケット輸入にも携わった高野さんは「ICBMで間違いない」と言い切る。「形状やマグネシウム合金特有の白いさびが浮き出ていることなどから実物の胴体部分」で、米軍の1960年代のICBM「タイタンⅡ」だと指摘した。

(西日本新聞社提供)