長野県の阿部守一知事が同県護国神社(同県松本市)の支援組織「崇敬者会」の会長を務め、鳥居修復の寄付集めの趣意書にも名を連ねていたことが信濃毎日新聞社(長野市)の取材で分かった。4月の同神社例祭にも過去3回、出席・参拝。阿部知事は「個人としての活動だ」とするが、複数の憲法学者や弁護士が憲法の政教分離原則に反すると指摘する。信濃毎日新聞社の調べでは、本県の達増知事と群馬、山梨、福井各県の知事も奉賛会や崇敬者会の会長を務めている。

 長野県護国神社によると、崇敬者会は神社の活動を物心両面で支援する組織。事務局は同神社で、阿部知事は1期目の2011年4月に会長に就任した。

 同神社では台風で第2鳥居や脇鳥居が倒れたため、老朽化した第1鳥居を含め総事業費7千万円の修復事業を計画。「県民の幅広い御協賛」を求める趣意書に阿部知事は会長として宮司らとともに名を連ねた。

 明治憲法下で国家と神道が結び付いて戦争遂行を担った反省から、現憲法は20条で国(地方自治体を含む)とその機関の宗教的活動を禁止。89条で宗教組織への公金支出などを禁じ、政教分離を徹底させた。

(信濃毎日新聞社提供)


岩手の奉賛会、達増知事が会長 「私人としての行為」と説明

 岩手護国神社を支援する同神社奉賛会の会長に就いている達増知事は「私人としての行為だ」と説明。県によると、同会会長は歴代知事が務め、達増知事は知事に就任した2007年に神社側の要請を受けて会長職を引き受けた。

 信濃毎日新聞社のアンケートに対し達増知事は毎年、護国神社の春の慰霊大祭と8月15日の戦没者追悼平和祈願の神事に出席していると回答。玉串料などは納めておらず、私人としての活動で公用車の使用や県職員の随行はないとした。

 憲法の政教分離原則については「私人としての行為で政教分離の原則に反しないと考えている」としている。