昨日投開票の県知事選は現職の達増拓也氏が元県議との一騎打ちを制し4選。当選回数が最多で並んだ千田正氏(在任1963-79年)とは、何かと共通点が多い

▼ともに若い頃は海外留学をした国際派。衆参は別だが、国会議員を経て知事となったのも一緒。副知事2人制や知事が出席する移動県民室は千田氏が最初に行い、達増氏も踏襲する施策と言える

▼千田県政は高度経済成長期と重なる。「大県構想」を看板に、本県を一流県に発展させようと県土の開発にまい進した。象徴が70年岩手国体。46年後、達増氏は震災からの復興を掲げ本県2度目の国体を開いた

▼大県構想には、畜産・林業振興を目指した北上山系開発もあった。原生林を切り開いた高地に、多くの人々が夢の生活を信じて入植した。千田氏の「ベゴ知事」の異名は、本人が畜産に懸けた情熱を端的に表す

▼今、北上山系を舞台に国際リニアコライダー(ILC)の誘致計画が進む。プロジェクトの大きさは、北上山系開発をはるかにしのぐ。一貫して計画をけん引してきた達増氏の姿勢は、ここでも千田氏と似通う

▼北上山系開発は後年、入植者の借金苦など負の評価にさらされた。積極的な誘致とともに、冷静に多様な影響に備える-。選挙で「岩手に関わる全ての人の幸せ」を叫んだ達増氏に望まれるスタンスだろう。