大槌町吉里吉里の吉里吉里学園中学部(金野節(たかし)校長、生徒37人)の校庭で行われていた仮設住宅の撤去と復旧工事が完了し、29日、業者から同校に引き渡された。本県の東日本大震災被災地7市町村で28校(廃校などを除く)の用地に建設された仮設住宅が被災者の生活基盤の役目を終え、全て解消。生徒は早速、校庭に出て自由に外で遊べる喜びを実感した。震災から8年半余りを経て、ようやく子どもたちの元気な姿がグラウンドに戻ってきた。

 「初めのいーっぽ!」。同日の引き渡し式には生徒、保護者ら約60人が参加。手をつなぎ、声を合わせて7453平方メートルのグラウンドに一斉に足を踏み入れた。全員で円になり、小型無人機で記念撮影して笑みを広げた。

 同校の仮設住宅は2011年4月に80戸が完成。昨年9月までに全住民が退去し、同12月から仮設撤去、今年6月からグラウンドの復旧作業が進められ、今月25日に全ての工事を終えた。

 同学園7年(中学1年)の石川琉海(りおん)さんは昨秋までの約6年間、同校の仮設住宅で暮らし、今春の入学時には撤去されている最中だった。「住んでいた場所がなくなり寂しい思いもあったが、校庭も町も復興してきてきれいになり、今はうれしい。これからはみんなで思う存分バレーボールを楽しみたい」と声を弾ませた。