釜石市の中学生5人は2日、米ハワイ州ヒロの太平洋津波博物館訪問視察のため同市を出発した。東日本大震災の教訓や復興の記録を後世に継承する市の取り組みの一環で、生徒たちを市の特命大使に任命。将来的な相互協力などを目的とする親書を手渡すほか、震災津波で同市の両石地区から流失した可能性があり、同博物館が保管する視線誘導標も確認する。

 5人は全員3年で小林茉央さん、上林励皇我(れおが)さん、高木海里(かいり)さん(釜石中)、吉田陽香(はるか)さん(甲子中)、松下琉奈(るな)さん(大平中)。市役所前で野田武則市長から親書を受け取り、元気に出発した。同市鵜住居(うのすまい)町のいのちをつなぐ未来館職員と市職員が引率する。

 生徒たちは3日、同博物館を訪問し、現地の学生と津波について学ぶなど同世代と交流する予定。高木さんは「被災状況などを伝え合い、震災や津波をより深く学びたい」と語り、吉田さんは「人と人のつながりで復興が進んできたことを伝えたい」と意気込む。

 市は震災の悲劇を繰り返さないため、教訓や復興の記憶継承の一層の推進に向け、手法や体制の検討が必要と判断。野田市長からの親書には、同博物館との津波防災に関する協力協定の締結、互いの活動の充実などが盛り込まれている。