「働くことは、人のために動くことだよ」。今月、北上市内で開かれた小学生の職業体験イベント・鬼(き)っジョブの開園式で、照井征明実行委員長(56)が子どもたちに語りかけた。

 子どもたちは、販売店員や大工など約40種の仕事を体験。新聞記者のブースでは、実際に取材をして原稿を書き、オリジナルの新聞を作った。

 児童の「知らない人に話しかけるのは緊張した」「写真がきれいに撮れてうれしい」という素直な反応に、むしろ仕事の喜びを気付かせてもらった。

 今年は、記者も実行委の一員として準備に加わった。仕事終わりに会議を重ね、地元企業や学生、一般のボランティアにも協力を仰いだ。参加小学生約450人に出展企業、スタッフを加えると千人規模のイベントだ。

 これだけ多くの人が動く原点は、将来なりたい職業が「ない」と書かれた小学校の卒業文集を見た親の思いだった。将来の夢、働く喜びを教えるのは大人の責任だ。

 実行委メンバーの強い思いと、自分の仕事に自信を持ち子どもたちに伝える表情を見て誇らしかった。

 一生懸命な大人の姿は子どもの目に焼き付いたはず。イベントを経験した児童が将来北上市で輝く未来を想像するだけで心が躍る。

(金崎諒)