新トレ@遠野市教育委員会

 遠野市教委は公民館主事等研修会に岩手日報社のNIB講座「新トレ(新聞トレーニング)」を取り入れ7、8月、2回の講座を展開した。公民館主事や地区センター地域活動専門員らが、新聞から情報を効率的に読み取る手法や写真撮影の基本、新聞広告の特徴を学び、地域づくりの核となる業務に必要なコミュニケーション力、情報分析力、情報発信力の向上を図った。

 8月27日の第2回講座は同市新町の市民センターで開かれ、15人が効果的な見出し、新聞広告の基礎、文章力向上の3テーマに取り組んだ。岩手日報社編集局NIE・読者部の鈴木義孝部長が、見出しは単なるタイトルではなく記事を最小限の字数で要約し活字の大きさでニュース価値を表す点を説明。短時間で読める工夫を学んだ。

 広告事業局広告部の山口優人部員は新聞広告の狙いや効果について解説。サイズや掲載位置、原稿制作、掲載日の選定など紙面掲載までの流れを紹介した。また、北東北3県の新聞社が連携した観光特集や児童虐待防止キャンペーン、「3月11日を大切な人を想(おも)う日に」と呼び掛ける企画広告などを例に「コミュニケーション能力のほかに、企画力や発想力が求められる」と強調した。参加者は「公民館の広報に生かせないか」と熱心に耳を傾けた。

岩手日報を1週間読んで選んだ関心のある記事を紹介し合う遠野市教委職員と公民館主事ら

 7月2日の第1回講座のメニューは、新聞の特性や効率的な読み方、ニュースリリースの書き方、写真撮影、地域づくりに生かせる記事の収集・スクラップ新聞作り。ニュースリリースの書き方は遠野支局の小野寺隼矢支局長がアドバイス。ポイントとして①初めての取り組みや「新しさ」②10年目、20年目といった「節目」③地域の「独自性」-を挙げた。広報担当の主事らは「地域の発信には、まず地域に対する十分な理解やアイデアが必要」と再認識していた。

 NIE・読者部の駒井千年次長は写真撮影の基礎知識を解説。読者を引き付ける写真の重要性を説いた。講座前1週間分の新聞を使ったスクラップ新聞作りでは、参加者はあらかじめ切り抜いた記事を活用。「遠野市のために」をテーマに意見交換し、新聞をつくった。

 講座を企画した市教委生涯学習スポーツ課の佐々木一樹主任兼社会教育主事(35)は「市内の小中学校でNIEが広がりを見せており、社会教育の担当者も新聞から学びたいと考えた。新聞に親しむことは、地域の広報の充実に加え、業務の多方面に効果が見込める」と狙いを語る。

 広報担当5年目の青笹地区公民館主任・菊池克友さん(45)は「『紙面の中心に写真を置くと、バランスが良くなる』というレイアウトの工夫が印象的だった。長い記事を削るのにいつも苦労する。ポイントを押さえ書く手法も参考になった」と2回の講座を振り返った。

 参加者は2回とも講座前の1週間、岩手日報を購読。地域づくりに生かせそうな記事を探すなど教材として活用した。


 

ニュースリリースのコツ

〇新しさ…初めて取り組むことに価値

〇節目…活動など振り返るきっかけに

〇独自性…人やモノ、地域特性に着目

〇数字…データの分析が説得力を持つ

〇ポイントを絞り取材依頼文書を作成

 
自信作の写真を持ち寄り、各班で発表する参加者

写真撮影のスキルを伝授

〇参加者が自信作を持ち寄って交流

〇シャッタースピードと絞りの関係

〇現場の明るさに応じた感度の設定

〇動きの速い被写体を撮影するコツ

〇報道カメラマンの受賞作を手本に

 
「遠野市のために」をテーマにしたスクラップ新聞を4グループが発表

遠野市に役立つ新聞作り

〇地方行政に役立つ記事を切り抜き 

〇各班で掲載記事を選ぶ「編集会議」

〇記事配置を決め用紙に貼り付ける 

〇「遠野市に役立つ」新聞4紙完成 

〇編集の狙い、紙面内容を各班が発表

 

広告の基本、新聞から学ぶ

〇社会的に信頼されている広告媒体

〇掲載までの手順、サイズ・種別例

〇段数、内容、掲載面で異なる料金

〇社会を鑑みタイムリーな広告展開

〇対話力を磨き柔軟な企画・発想を

 

見出しの力、実感・門馬理恵子さん

 見出しは、しっかり記事の内容が伝わり、市民に「読みたい」という気持ちを起こさせ、初めて意味や力を持つことを実感した。言葉の使い方などに気をつけ新聞をよく読み広報作りに生かすとともに、記事の内容ばかりではなく、紙面の質も上げていきたい。

広報充実に意欲・北田歩さん

 講座で紹介された斎藤孝明治大教授の「書く力の元は、読む力」を体感する研修だった。新聞を読み力を付けていきたい。また地区の情報紙が催しの報告に終始していることに気付いた。告知記事を加えるなどバリエーションを付け充実させていこうと思う。

写真、工夫したい・菊池陽香さん

 写真の撮り方や広告の解説は仕事に生かせる講座だった。シャッター速度や露出の調整で魅力的な写真が撮れる。カメラ任せにせず場面に合わせ工夫していきたい。また、広告の意味を学び、奥深さに興味が湧いた。関心を持ち見ていくきっかけになった。

情報発信考える・沢村和希さん

 毎月1回発行の地区の広報を担当している。1人で作業しており前年同月と代わり映えしない内容になることがあり困っていた。今回の講座は、どのような点に着目して情報発信するべきか、どのような紙面構成にしたら読者に伝わるのかを考える機会になった。

広告のヒントに・浜田登志子さん

 新聞記事の要約に取り組み、ポイントをまとめて書く難しさが分かった。広報作りの糧にしたい。広告についての研修は、商店など地域の広告主、私たち広報を作る側、地区民ら、みんなにとって利益になる広告の在り方を考える上で大変参考になった。

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