遠野市の第三セクター、遠野ふるさと公社(理事長・本田敏秋市長)は、盛岡市のイオンモール盛岡南店内で運営するアンテナショップ「結(ゆ)いの市」を来年2月末で撤退すると決めた。開業以来13年連続の赤字経営で、テナント契約満了を機に引き際と判断した。地場産品の年間売上高が7千万円を超え、観光情報発信も担う拠点の撤退が地元経済に与える影響は大きく、生産者からは代替販路の開拓を求める声が上がる。

 公社によると、撤退はイオン側と既に合意。野菜などを出荷する「結いの市生産者直売組合」(吉田敦史組合長、56人)への説明も済ませた。組合員からは新たな販路先の確保を求める声が強い。常勤2人を含む従業員10人は、希望に応じ公社の他店舗での雇用などへ調整を進めている。

 結いの市は2006年9月、イオン盛岡南の開業と同時に開店。毎日入荷する新鮮な野菜や乳製品など遠野を代表する産品が並び、観光情報提供の窓口としても機能してきた。イオン盛岡南の専門店街の中では集客力を持つが、商品単価の低さもあり、経営面では苦戦が続いた。18年度決算での累積赤字は約9千万円に膨らんでいた。