ラグビーワールドカップ(W杯)2試合を行う釜石市の釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアムで、試合前に東日本大震災犠牲者への黙とうが行われることが決まった。復興支援への感謝のメッセージを伝える場も設けられ、震災被災地、東北唯一の開催地である本県と同市の要望が受け入れられた形。本紙特命取材班にも同スタジアムでの国際試合で黙とうがなかったことへの疑問が寄せられていた。選手や国内外の観戦客が、「命の教訓」が息づく地で「復興W杯」の意義を共有する。

 組織委が18日、県と同市に伝えた。組織委岩手・釜石地域支部や市などによると、黙とうは試合前に郷土芸能を披露する「ホストシティーパフォーマンス」の開始前を予定。25日のフィジー対ウルグアイは午後0時25分ごろ、10月13日のナミビア対カナダは午前10時25分ごろの見通しだ。

 試合直前には子どもたちがグラウンドで、復興支援への感謝を伝える英文のメッセージが記された大きな旗を掲げる。時間は調整中。25日は同市内の児童生徒計28人、10月13日は同市以外の沿岸自治体の小学生が持つ予定だ。

 W杯前哨戦として同スタジアムで7月末に行われた国際試合では黙とうなどがなく、大槌町民から「W杯でも行わないのか」と本紙に疑問が寄せられた。市にも多様な意見が届き、県と市による釜石開催実行委は8月、黙とう実施と感謝のメッセージ披露を組織委に要請。今回の決定について、組織委は「開催都市の要望を受けて、協議を重ねた結果」としている。