県は、向こう10年の水道事業の指針となる「新いわて水道ビジョン」(2019~28年度)の素案をまとめた。市町村単位を基本とする水道事業の広域連携を後押しし、経営基盤の強化を図るのが柱。給水人口の減少や施設の老朽化など経営環境は厳しさを増しており、安定運営に向けて体制の立て直しが急がれる。

 ビジョンの基本方針は▽持続(将来に持続する水道)▽安全(良質な水で安全安心な水道)▽強靱(きょうじん)(災害に強い安定した水道)-の三つに設定。既存施設の共同化や事務処理の一元化など、各事業体の連携を促し、経営の効率化やコスト削減を図る。

 背景には、水道事業を巡る経営環境の厳しさがある。県内の16年度の給水人口は118万5千人でピーク時(03年度127万1千人)から6・8%減少。45年度には、16年度比でさらに26%の減少が見込まれる。

 本県では17年に関係機関が広域連携検討会を立ち上げ、五つの広域ブロック(盛岡、県南、沿岸南部、宮古、県北)ごとに施設の更新計画や職員体制などの課題を共有してきた。

 ただ、広域連携の動きは北上、花巻、紫波の3市町で構成する岩手中部水道企業団、奥州市と金ケ崎町でつくる行政事務組合など一部にとどまる。県は今後、全国の先進事例を学ぶ研修会を企画し、連携を支援する方針だ。