イーハトーブフェスティバル2019(実行委主催)は31日、花巻市高松の宮沢賢治童話村で2日間の日程で開幕した。解剖学者の養老孟司さんが講演し「東北の言葉がもつ重さ、表現の深さがよく表れている。宮沢賢治は耳で聞く作品」と強調。ロックバンド「アジアン・カンフー・ジェネレーション」の後藤正文さんと小説家古川日出男さんは「銀河鉄道の夜」などを基にした「朗読と音楽」で新たな賢治作品の世界を創造した。

 市内外の約900人が来場。養老さんは「宮沢賢治は『耳の作家』。子どもの頃に『オツベルと象』を読んで、耳に音が居着いちゃった」と自らの体験を披露。「(器官として)目よりも耳の方が深いところにある」とし、だからこそ賢治作品がより情動に訴えると指摘した。

 古川さんは、後藤さんの演奏に乗せて賢治作品からモチーフを採った作品を朗読。宮沢賢治への思いをあらわに、時に叫びながら作り上げる世界が会場を引き込んだ。終演後「音と言葉で新しい世界ができた。怖がりながら尊敬を表すということができたかな」と語った。

 1日は午後4時から歌手のSalyu(サリュ)さんのコンサート、スタジオジブリ代表取締役プロデューサーの鈴木敏夫さんのスペシャルトーク、映画「大人の見る繪本(えほん) 生れてはみたけれど」の上映を行う。