花巻、遠野、宮古の3市にまたがる早池峰山(1917メートル)に登った。小学生の頃、登山で軽い脱水症状になって以来、山には抵抗があった。それでも現場に行かなければ写真は撮れない。入念に装備を整え、大自然に挑戦した。

 山開き当日。国有林に囲まれた登山道を進むと早速、ゴツゴツとした岩山が立ちはだかった。

 「今、何合目ですか」。登り始めてから約20分、消え入るような声でベテラン登山者に尋ねると「まだ1合目」とにっこり。序盤こそ、快晴の空と雄大な自然に活力をもらっていたが、次第に、脚を動かすよりも休憩時間の方が長くなっていた。

 「駆け足だと疲れる。歩幅は小さく、細かく」「記者さん頑張りましょう」。20人ほどの登山者に励まされ、何とか登頂に成功。休む間もなく神事が始まり、慌ただしく取材した。

 登りでは見る余裕などなかった高山植物を眺めながら下山。草花の美しさに「来て良かった」と心が洗われた。と思ったのもつかの間、気の緩みからか岩場でバランスを崩して転び、岩に肩をぶつけて涙目になった。「最後まで気を抜いてはいけない」と山が教えてくれたのだと反省した。

 教訓は「平場」でも同じ。暑い日が続くが、気を抜かず取材に当たりたい。

(斎藤拓真)