奥州市は本年度、外国人向け医療通訳の増員とサービス充実に力を入れる。市国際交流協会(佐藤剛会長)と連携し、居住者の多い東南アジアなど対応言語の拡大も予定。国際リニアコライダー(ILC)誘致や外国人労働者の増加も想定されており、安心して暮らせる共生社会の環境を整える。

 同協会が2015年、県内で初めて乗り出した医療通訳のボランティア登録は市内在住の日本人を中心に36人。英語、中国語、韓国語、タガログ語に対応しているが、今後はインドネシア語やベトナム語の通訳養成を目指す。

 今月末には市内で、専門家と病院関係者を招いた研修会を予定。通訳の心構えや外国語の医療専門用語、守秘義務、外国の文化などについて学び、実技試験の合格者を登録する。

 市内在住の外国人は約600人。本年度は救急外来、耳鼻科など10件の利用があり、県立胆沢病院(奥州市水沢)の鈴木俊郎副院長は「通訳を介すことで体調を細かく聞き取れる。診察だけでなく、検査でも助かる」と信頼を寄せる。

 同協会には他地域からの引き合いもあり、9月開幕のラグビーワールドカップ(W杯)では釜石市にスタッフを派遣する。医療通訳は3時間程度を要するが、支給されるのは交通費のみ。奥州市は本年度から同協会への委託事業とし、待遇改善も検討する。