一関市は5日、3月末に閉鎖した同市柄貝のNECプラットフォームズ一関事業所について、国際リニアコライダー(ILC)建設が決定した場合、2工場をILCの運転開始に先行して必要となるインフォメーション施設などに活用する構想を示した。勝部修市長はメインキャンパス建設までの「仮キャンパス」のような機能を持たせる狙いを示した。

 構想は市議会議員全員協議会で市長公室の石川隆明室長が明らかにした。

 市がNEC側に借り受けを要望していた、いずれも3階建ての第1~3工場3棟のうち、第1工場(延べ床面積約1万2600平方メートル)と第2工場(同約1万2300平方メートル)をILC関連のインフォメーション施設、研究機関の事務所、展示室、会議室などに活用する。

 どちらも市が設置し、設置後は市が所有した上で、利用する関係機関への貸し出しなどを想定している。

 ILC誘致が決定した場合、JR一ノ関駅周辺にインフォメーション施設の整備が急がれることから、既存施設での対応を考えた。2023年までの最大5年間は工場、土地を借り受け、24年から33年までの10年間は工場、土地を取得した上で活用する。

 第3工場(同約9500平方メートル)は貸し工場、オフィスなどに利用する考え。これもILC関連の企業、機関などの入居を想定している。第1~3工場とも、耐用年数の残り15年間程度活用した後は解体撤去し、さら地に戻す方向。

 勝部市長は「メインキャンパスを建設するには膨大な金がかかる。それを最初の15年間を(JR一ノ関)駅の近い所で代役を果たせるとなれば、イニシャルコスト(初期費用)がかなり節約できる」と狙いを語った。

 土地、建物の借り受けや取得の申し入れに対し、NEC側の回答はまだない。ILCは建設が決まれば、運転開始は30年以降とされる。勝部市長は3月、同事業所の土地を取得する意向を示し、有害物質が検出された後は浄化作業の終了を待たずに工場、土地を賃貸借する考えを明らかにしていた。